以前に遊んだタミヤさんの「マイコンロボット工作セット」で組み立てたロボットは、マイクロビットによるビジュアルプログラミングで自由自在に操作可能になることを特徴としたクローラーロボットでした。
カムプログラムロボット工作セット
今回は、マイクロビットを使ったプログラミングで操作する代わりに、「カム」と呼ばれる運動の方向を変える機能を与えるパーツを棒状の部品に連続的に並べることで「プログラムバー」を作りロボットの動きを制御する「カムプログラムロボット」という兄貴分のロボットも組み立てて遊んでみましたのでご紹介します。
動かし方は2種類 さてどちらを選択する?
組み立てる前に、まずは2種類の基本動作のどちらかを選ぶことになります。
基本動作としては、次の様なタイプAとタイプBの2種類になります。
タイプAは、カムがないと前進し、左にカムがあると左に曲がり、右にカムがあると右に曲がります。両側にカムがあると停止します。
タイプBは、カムがないとその場で左に回り、左にカムがあると前進、右にカムがあると後進、両側にカムがあると停止します。
ロボットにはどちらも欲しい動きで選択するのはとても悩ましいですよね。
この様な動きは、カムが本体の下に取り付けられたステアリングレッグというパーツを押し下げて、クローラーを浮かせる仕組みから作られています。ロボットの裏面から見るとよくわかるのですがこの部分のことです。
動画でステアリングレッグの動きを確認してみましょう。カムを検出したときにレッグが下に押し下げられてタイヤが浮くようになっていますね。
ロボットの動きを決定するカムとは?
ロボットの動きはソフトウェアによる制御では無く、プログラムバーにカムと言うものを差し込んでロボットの動きを設定することになります。
カムには大中小の3種類のサイズがあり、
タイプAのロボットでは、それぞれ、大が90度、中が60度、小が30度の角度で右または左に旋回する動き作る部品となります。
タイプBのロボットでは、それぞれ、大が3.6秒、中が2.4秒、小が1.2秒の間、前進または後退する動きを作る部品となります。
なるほど、カムの長さで、ロボットのクローラーが浮き沈みしている時間を調節して旋回角度や移動時間を決定しているのですね。
プログラムバーは一本で約35秒の制御をする事ができ、2本、3本と複数本を連結する事で制御できる時間を長くする事ができます。
この様にプログラムバーに取り付けるカムの大きさや配置を変えること、およびプログラムバーの長さを変える事で様々な動きを表現することができます。
カムは小さい部品なのでプログラムバーへの取り付けと取り外しは少々やり難いですが、根気よく頑張りましょう。特に取り外しが難しかったのですが、取り外し用の部品がある親切設計ですので大丈夫です。私は説明書に取り外し用部品についての記載があることに全く気が付かずでしたが・・・。
それではプログラムバーを前面から差し込んで動かしてみましょうか。
自分の思った通りに動かすためには、どのようにカムを付ければ良いのかを論理的に考えながら作り上げる必要があるのでなかなか頭の体操になります。スタートの位置とゴールの位置を決めて、その間に障害物を設置して、上手く障害物を避けてロボットがゴールの位置に進む様な遊びが面白そうです。
先ほどの写真のようにカムを並べてプログラムバーを作ってみました。動き方としては次のようになります。
[ 右30度 前進 左30度 前進 右90度 左90度 右90度 左90度 右60度 左60度 前進 左30度 前進 左30度 右30度 左30度 右30度 前進 右60度 左60度 ]
本当にそう動くか動画でご確認下さい。
タイプAとタイプBの切り替え方は?
タイプAとタイプBの違いは、モーターの配線とステアリングレッグのブーツ部品の有り無しです。
組み立て後は、どちらか一方の動きで遊ぶ事になるので、ロボットを組み立てる前に、Aタイプにするか、Bタイプにするか、決める必要がありますのでご注意下さい。
でも心配しないでください。組み立て後でも、別タイプで遊びたくなったら、少し分解して再度組み立てることでタイプ変更することができますよ。
私は赤、青、黄色の配線が下の写真のようになるタイプAで組み立てました。
ブーツはステアリングレッグレッグに取り付けている固いスポンジのようなパーツです。
タイプAとタイプBを両方楽しみたくて、分解して再組立てするのが億劫な性分でしたら、思い切ってカラバリの2種類を購入しても良さそうです。
なお、このロボットは2017年度グッドデザイン賞を受賞したそうです。カムで動く仕組みがとても素晴らしいく、良くで出来てますものね、納得です!